産廃業者の許可証はどこを見る?許可品目・期限・積替え保管の確認方法

産廃業者の許可証はどこを見る

産業廃棄物の処理を業者に委託するとき、

「産廃業の許可証を持っている会社だから大丈夫」

と思っていないでしょうか。

実は、産業廃棄物処理業の許可は、許可を持っているかどうかだけ確認すればよいわけではありません。

同じ産業廃棄物収集運搬業者でも、取り扱うことのできる産業廃棄物の種類は異なります。また、積替え保管ができる業者とできない業者があり、処分業者の場合には、許可されている処分方法にも違いがあります。

排出事業者が産業廃棄物の処理を委託するときには、委託しようとする処理が、その業者の許可の事業範囲に含まれているか確認することが重要です。

この記事では、産廃業界での実務経験を持つ行政書士が、産業廃棄物処理業許可証のどこを確認すればよいのかを分かりやすく解説します。

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産廃業者の許可証で確認したいポイント

産業廃棄物処理業者から許可証の写しを受け取ったら、まず次の項目を確認してみましょう。

  1. 許可の種類
  2. 許可を出した都道府県・政令市等
  3. 許可番号
  4. 許可の有効期限
  5. 取り扱うことのできる産業廃棄物の種類
  6. 積替え又は保管の有無
  7. 処分業の場合は処分方法
  8. 許可に付された条件

この中でも、実務上特に重要なのが、

「許可品目」「有効期限」「積替え保管の有無」

です。

順番に見ていきましょう。

①「収集運搬業」なのか「処分業」なのかを確認する

最初に確認するのが、何の許可証なのかです。

産業廃棄物処理業の許可は、大きく分けると、

  • 産業廃棄物収集運搬業
  • 産業廃棄物処分業

があります。

さらに、通常の産業廃棄物とは別に、

  • 特別管理産業廃棄物収集運搬業
  • 特別管理産業廃棄物処分業

という許可もあります。

例えば、産業廃棄物収集運搬業の許可しか持っていない会社に、産業廃棄物の中間処理まで委託することはできません。

反対に、処分業の許可を持っていても、その許可だけで排出事業場から処分場まで収集運搬できるとは限りません。

「産廃許可を持っている会社」というだけで判断せず、どの業の許可を持っているのかを確認することが第一歩です。

産業廃棄物を排出事業場から処分場などへ運搬するための許可については、産業廃棄物収集運搬業許可で詳しく解説しています。

また、破砕・選別・圧縮などの方法で産業廃棄物を処分するための許可については、産業廃棄物処分業許可をご覧ください。

② 許可を受けている都道府県等を確認する

収集運搬業では、どこの自治体から許可を受けているかも重要です。

例えば宮城県知事の許可証であれば、

「宮城県知事 産業廃棄物収集運搬業許可」

などと記載されています。

収集運搬を委託するときには、廃棄物を積み込む場所と運搬先との関係から、必要な許可を有しているか確認する必要があります。

単に「宮城県の会社だから宮城県の許可を持っているだろう」と考えるのではなく、実際の許可証を確認することが大切です。

③ 許可番号を確認する

許可証には、処理業者ごとの許可番号が記載されています。

この許可番号は、委託契約書やマニフェストなど、産業廃棄物管理のさまざまな場面で使用されます。

許可証を確認するときには、

  • 会社名
  • 許可番号
  • 許可自治体

が一致しているかを確認しておきましょう。

全国の産業廃棄物処理業者については、環境省が案内している「産廃情報ネット」などで、許可情報を確認する方法もあります。

処理業者から受け取った許可証の写しが古い場合や、現在の許可状況を確認したい場合には、行政庁の許可業者名簿などと照合することも有効です。

④ 許可の有効期限を確認する

許可証を見るときに忘れてはいけないのが、許可の有効期限です。

産業廃棄物処理業の許可には有効期間があります。

通常の産業廃棄物処理業許可の有効期間は5年間です。

また、優良産廃処理業者認定制度の認定を受けた事業者については、一定の場合に許可の有効期間が7年間となります。

そのため、委託契約を締結した当時は有効だったとしても、その後許可期限を迎えることがあります。

継続的に産業廃棄物処理を委託している場合には、許可期限を管理し、更新後の許可内容も確認しておくことが重要です。

許可証の期限が切れていたら無許可?

ここは少し注意が必要です。

許可証に記載された有効期限が過ぎていても、有効期間内に適法に更新許可申請が行われ、行政庁による審査が続いている場合には、従前の許可が引き続き効力を有することがあります。

したがって、

「許可証の日付が昨日で切れているから、今日から無許可業者だ」

と直ちに判断するのは適切ではありません。

更新申請中である場合には、更新申請が受理されていることを示す資料などを確認するとよいでしょう。

⑤ 最も重要な「許可品目」を確認する

許可証を見るうえで特に重要なのが、取り扱うことのできる産業廃棄物の種類です。

産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているからといって、すべての産業廃棄物を運搬できるわけではありません。

例えば、許可されている品目が、

  • 廃プラスチック類
  • 金属くず
  • ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
  • がれき類

だけであれば、その許可の範囲外となる産業廃棄物を当然に運搬できるわけではありません。

したがって排出事業者は、

「自社が委託しようとしている産業廃棄物が、この許可証の事業範囲に入っているか」

を確認する必要があります。

産業廃棄物処理業者に委託する際には、単に許可業者であるかどうかだけでなく、委託する産業廃棄物と処理内容が、その業者の許可の範囲に含まれているかを見ることが重要です。

「〇〇を含む」「〇〇を除く」にも注意

許可品目を見るときには、産業廃棄物の種類だけではなく、その後に付いている記載にも注意が必要です。

許可証によっては、特定の産業廃棄物について、

「〇〇を含む」

「〇〇を除く」

といった限定が付されていることがあります。

つまり、

「廃プラスチック類と書いてあるから、どんな廃プラスチックでも大丈夫」

とは限りません。

実際に排出する廃棄物の性状と許可内容を照らし合わせて判断する必要があります。

特に、

  • 石綿含有産業廃棄物
  • 水銀使用製品産業廃棄物
  • 水銀含有ばいじん等

などが関係する場合には、許可証の記載を丁寧に確認することが重要です。

⑥ 「積替え保管あり・なし」を確認する

収集運搬業の許可証では、積替え又は保管を行うことができるかも重要な確認項目です。

「積替え保管」とは、排出事業場から収集した産業廃棄物を、運搬途中でいったん施設等に下ろし、別の車両への積替えや一時的な保管を行うことです。

積替え保管を行うためには、その内容が許可の範囲に含まれていなければなりません。

したがって、

「積替え保管を除く」許可しか持っていない収集運搬業者が、産業廃棄物を途中で下ろして積替えや保管を行うことはできません。

委託先の運搬経路で積替え保管を行う予定がある場合には、

  • 積替え保管が許可されているか
  • どこで積替え保管するのか
  • どの産業廃棄物を積替え保管できるのか

まで確認しておく必要があります。

宮城県が公表している産業廃棄物処理業者名簿でも、取り扱うことができる産業廃棄物と、積替え又は保管を行うことができる産業廃棄物を区別して確認することができます。

「積替え保管なし」なら途中で車を止めることもできない?

ここは誤解されやすいところです。

「積替え保管なし」というのは、文字どおり、許可された積替え保管行為を行わないという意味です。

単に運搬途中で休憩した、信号待ちをした、車両を一時的に駐車した、といった行為まで直ちに「積替え保管」になるという意味ではありません。

問題になるのは、運搬途中で産業廃棄物を車両から降ろし、積替えや保管を行うような場合です。

実際の運用が積替え保管に該当するか判断が難しい場合には、あらかじめ許可行政庁に確認することをおすすめします。

⑦ 処分業者の場合は「処分方法」を確認する

処分業者の許可証を見る場合には、産業廃棄物の種類だけでなく、どのような方法で処分することが許可されているかも確認します。

例えば、

  • 破砕
  • 圧縮
  • 焼却
  • 選別

などです。

同じ「廃プラスチック類」を取り扱う処分業者でも、許可されている処分方法は同じとは限りません。

したがって、

「廃プラスチック類の処分業許可を持っている」

だけではなく、

「今回委託しようとしている処理方法まで許可されているか」

を見る必要があります。

処分業者へ委託するときには、産業廃棄物の種類だけでなく、許可されている処分方法や施設についても確認することが大切です。

⑧ 「許可の条件」も確認する

許可証には、許可に条件が付されている場合があります。

許可品目だけを見て判断するのではなく、条件欄にも目を通しておきましょう。

許可の条件によって事業範囲が限定されている場合には、その条件を超えた処理を行うことはできません。

許可証のコピーをもらえば、それだけで確認は終わり?

産業廃棄物の処理を委託するときには、書面による委託契約を締結する必要があります。

また、産業廃棄物処理委託契約書には、受託者が産業廃棄物処理業を行うことができ、かつ、委託しようとする処理がその事業の範囲に含まれていることを確認できる許可証の写し等を添付することが基本となります。

ただし、

「許可証のコピーがファイルに入っている」

というだけでは十分とはいえません。

重要なのは、その内容を実際に確認することです。

例えば、

  • 許可期限が切れていないか
  • 更新後に事業範囲が変わっていないか
  • 委託する産業廃棄物が許可品目に含まれているか
  • 積替え保管の有無が実際の運搬方法と一致しているか
  • 処分方法が委託内容と一致しているか

などを確認する必要があります。

許可証を委託契約書に添付する理由や、収集運搬業者・処分業者との契約方法については、産業廃棄物処理委託契約書とは?で詳しく解説しています。

許可証は一度確認すればよいわけではない

継続して同じ処理業者に委託していると、

「昔から頼んでいる業者だから大丈夫」

となりがちです。

しかし、処理業の許可には有効期限があり、更新や事業範囲の変更が行われることがあります。

そのため、少なくとも許可更新の時期には、新しい許可証を入手して内容を確認しておくことが大切です。

また、

  • 取り扱う産業廃棄物の種類が変わった
  • 処理方法が変わった
  • 運搬経路が変わった
  • 新たに積替え保管を行うことになった

といった場合にも、あらためて許可内容との整合性を確認する必要があります。

さらに、産業廃棄物を処理業者へ引き渡した後は、マニフェストによって処理の流れを管理します。

委託契約書・許可証・マニフェストの内容がそれぞれ食い違っていないかという視点も重要です。

電子マニフェストの仕組みやJWNETによる管理については、電子マニフェストとは?JWNETの仕組み・メリット・導入方法を解説をご覧ください。

宮城県では許可業者名簿でも確認できる

宮城県では、宮城県知事から産業廃棄物処理業等の許可を受けている事業者について、産業廃棄物処理業者名簿を公表しています。

名簿では、許可業者が取り扱うことのできる産業廃棄物の種類などを確認できます。

宮城県の名簿では、

  • 「○」=取り扱うことができる産業廃棄物
  • 「◎」=積替え又は保管を行うことができる産業廃棄物

として区別されています。

処理業者から受け取った許可証だけでなく、このような行政庁の公開情報を併せて確認することも有効です。

全国の処理業者については、環境省が案内している「産廃情報ネット」などから許可情報を確認する方法もあります。

排出事業者が許可証を確認する理由

産業廃棄物は、

「処理業者に渡したら、あとは処理業者の責任」

というものではありません。

排出事業者には、自ら発生させた産業廃棄物を適正に処理する責任があります。

そのため、処理を委託するときには、

「許可業者だから大丈夫」

ではなく、

「この廃棄物を、この方法で、この場所まで運び、この方法で処分することが、この業者の許可の範囲に入っているか」

まで確認することが大切です。

許可証を確認することは、適正な委託処理を行うための基本的なチェックの一つといえるでしょう。

排出事業者が負う責任や、産業廃棄物を処理業者へ委託するときの基本的な考え方については、排出事業者とは?産業廃棄物処理における責任を解説でも詳しく解説しています。

排出事業者が確認すべき事項は、許可証だけではありません。詳しくは「産廃収集運搬業者に処理を委託するときの注意点|排出事業者が確認すべき7項目」をご確認ください。

建設・解体工事では元請・下請の関係にも注意

建設工事に伴って発生する産業廃棄物では、原則として元請業者が排出事業者となります。

下請業者へ廃材の運搬を依頼するときは、その業者が産業廃棄物収集運搬業許可を持っているかだけではなく、

  • 運搬する廃棄物が許可品目に含まれているか
  • 必要な地域の許可を持っているか
  • 許可の有効期限が切れていないか
  • 実際の運搬方法が許可内容と合っているか

まで確認する必要があります。

「工事を下請業者に任せているから、廃棄物の処理もそのまま下請業者に任せてよい」というわけではありません。

建設工事における排出事業者責任や、元請・下請と産廃許可の関係については、元請・下請で産廃許可はどう変わる?で詳しく解説しています。

許可証チェックリスト

最後に、委託先の許可証を確認するときのポイントをまとめます。

収集運搬業者

□ 産業廃棄物収集運搬業の許可か
□ 必要な自治体の許可があるか
□ 許可期限内か
□ 委託する産業廃棄物が許可品目に含まれているか
□ 「含む」「除く」などの限定に問題はないか
□ 積替え保管の有無が実際の運搬方法と一致しているか
□ 許可に特別な条件が付されていないか

処分業者

□ 産業廃棄物処分業の許可か
□ 許可期限内か
□ 委託する産業廃棄物が許可品目に含まれているか
□ 委託する処分方法が許可されているか
□ 処理施設が委託内容に対応しているか
□ 許可に特別な条件が付されていないか

まとめ|「許可がある」ではなく「今回の委託が許可範囲内か」を確認

産業廃棄物処理業者の許可証を見るときには、単に許可証を持っていることを確認するだけではありません。

特に確認したいのは、

・許可の種類
・許可自治体
・有効期限
・許可品目
・積替え保管の有無
・処分方法

です。

中でも重要なのが、

「今回委託する産業廃棄物と処理方法が、その業者の許可の事業範囲に入っているか」

という視点です。

産業廃棄物の許可証は、一見すると専門的で分かりにくい部分もありますが、ポイントを押さえれば確認すべき場所はそれほど多くありません。

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