産業廃棄物の中間処理施設や最終処分場を設置する場合、施設の種類や処理能力によっては、産業廃棄物処理施設設置許可が必要になることがあります。
処分業を始めるには「産業廃棄物処分業許可」が必要ですが、それとは別に、施設そのものを設置するための許可が必要になる場合があります。
つまり、処分業を始める場合には、
- 処分業許可が必要か
- 処理施設を有しているか
- 施設設置許可が必要な施設か
- 事前協議や生活環境影響調査が必要か
を順番に確認する必要があります。
宮城県内で産業廃棄物処理施設を設置しようとする場合、廃棄物処理法施行令第7条で定める施設については、廃棄物処理法第15条に基づき知事の許可が必要とされています。
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産業廃棄物処理施設設置許可とは
産業廃棄物処理施設設置許可とは、一定の産業廃棄物処理施設を設置する場合に必要となる許可です。
処分業許可が「産業廃棄物の処分を業として行うための許可」であるのに対し、施設設置許可は「一定規模以上の処理施設を設置するための許可」です。
整理すると、次のようになります。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 産業廃棄物処分業許可 | 他社から委託を受けて産業廃棄物を処分するための営業許可 |
| 産業廃棄物処理施設設置許可 | 一定の処理施設を設置するための施設許可 |
そのため、処分業許可と施設設置許可は同じものではありません。
処分業を行う場合でも、すべての施設に設置許可が必要になるわけではありませんが、処理する廃棄物の種類、処理方法、処理能力によっては設置許可が必要になります。仙台市も、処分業を取得するには処理施設を有することが必要であり、その施設の種類・処理方法・処理能力によって設置許可が必要になると案内しています。
施設設置許可が必要になる主な施設
施設設置許可が必要になるかどうかは、廃棄物処理法施行令第7条に定められた施設に該当するかで判断します。
代表的には、次のような施設が問題になります。
- 焼却施設
- 破砕施設
- 脱水施設
- 乾燥施設
- 中和施設
- 油水分離施設
- コンクリート固型化施設
- 最終処分場
ただし、施設の名称だけで判断するのではなく、処理する産業廃棄物の種類・処理方式・処理能力によって判断します。
例えば、同じ破砕機でも、処理する廃棄物の種類や処理能力によって、施設設置許可が必要になる場合と、不要な場合があります。
宮城県では、法第15条第1項に係る設置許可を要する施設のうち、施行令第7条の2に掲げる施設を「第一種施設」として定義し、焼却施設や最終処分場などを具体例として挙げています。
設置許可が不要なら手続き不要とは限らない
注意が必要なのは、法令上の施設設置許可が不要な施設でも、事前協議や届出が必要になる場合があるという点です。
宮城県では、産業廃棄物処理施設等の設置または変更を行う前に、適正化条例や指導要綱に基づく事前手続きが必要とされています。この事前手続きは、事業計画の初期段階から地域住民等に説明し、生活環境保全上の意見を反映させるための手続きです。
また、仙台市では、設置許可を要する施設だけでなく、許可を要しないすべての施設についても事前協議を行っていると案内されています。
そのため、
- 設置許可が必要か
- 事前協議が必要か
- 条例・指導要綱上の手続きが必要か
- 仙台市内か宮城県内の他市町村か
を個別に確認する必要があります。
処分業許可との関係
産業廃棄物処理施設を設置しただけでは、他社から委託を受けて産業廃棄物を処分できるわけではありません。
施設を使って産業廃棄物の処分を事業として行う場合には、別途、産業廃棄物処分業許可が必要です。
宮城県も、設置した産業廃棄物処理施設等で産業廃棄物の処分を事業として行う場合には、産業廃棄物処分業許可を取得する必要があると案内しています。
つまり、実務上は次のような整理になります。
| ケース | 必要になる可能性がある手続き |
|---|---|
| 自社廃棄物を自社施設で処理する | 施設設置許可・事前協議等 |
| 他社廃棄物を受け入れて処分する | 施設設置許可・事前協議等+処分業許可 |
| 既存施設を変更する | 変更許可または軽微変更届 |
| 施設を譲り受ける・借り受ける | 譲受け・借受け許可 |
宮城県での施設設置許可の流れ
宮城県で産業廃棄物処理施設を設置する場合、一般的には次のような流れになります。
1. 事業計画の整理
まず、どのような施設を、どこに設置し、どの産業廃棄物を、どのように処理するのかを整理します。
この段階で確認すべき内容は、次のとおりです。
- 処理する産業廃棄物の種類
- 処理方法
- 処理能力
- 施設の設置場所
- 土地・建物の使用権限
- 搬入・搬出ルート
- 保管場所
- 処理後残さの処分先
- 周辺環境への影響
- 処分業許可の要否
2. 設置許可の要否確認
次に、その施設が廃棄物処理法上の産業廃棄物処理施設に該当するかを確認します。
施設名称だけでなく、処理能力や処理対象物によって判断が変わるため、早い段階で行政庁に確認することが重要です。
宮城県の施設設置許可ページでも、申請する場合は必ず事前に許可申請窓口へ連絡するよう案内されています。
3. 事前手続き・事前協議
宮城県では、施設の種類に応じて第一種施設、第二種施設、第三種施設などに区分され、それぞれ異なる事前手続きが必要になります。
事前手続きでは、施設の概要、生活環境への影響、周辺住民への説明、関係市町村との調整などが問題になります。
4. 生活環境影響調査
施設設置許可が必要な廃棄物処理施設では、生活環境影響調査が重要になります。
環境省は、生活環境影響調査について、許可を要するすべての廃棄物処理施設に実施が義務づけられるものであり、施設が周辺地域の生活環境に及ぼす影響を計画段階で調査し、その結果に基づいて施設計画や維持管理計画を作成するものと説明しています。
調査項目としては、施設の種類により異なりますが、一般的には次のような項目が問題になります。
- 大気質
- 騒音
- 振動
- 悪臭
- 水質
- 地下水
- 交通量
- 粉じん
5. 住民説明・関係市町村との調整
処理施設は、周辺地域への影響が問題になりやすい施設です。
そのため、住民説明や関係市町村との調整が重要になります。
宮城県の事前手続きも、地域住民等や関係市町村から寄せられた生活環境保全上の意見を事業計画に反映させることを目的としています。
6. 施設設置許可申請
事前手続きが完了した後、産業廃棄物処理施設設置許可申請を行います。
宮城県では、事前手続きを完了したら、産業廃棄物処理施設設置許可申請を行うことができると案内されています。
7. 許可後の工事・使用前検査
施設設置許可を受けた後、施設の設置工事を行います。
その後、施設が許可内容どおりに設置されているか確認を受ける必要があります。宮城県の手続きページでも、産業廃棄物処理施設使用前検査申請書が案内されています。
8. 処分業許可申請
他社から産業廃棄物を受け入れて処分する場合は、施設設置に関する手続きだけでなく、産業廃棄物処分業許可も必要です。
処分業許可では、施設、技術的能力、講習会、経理的基礎、欠格要件などが確認されます。
仙台市内で施設を設置する場合の注意点
仙台市内で産業廃棄物処分業を行う場合は、仙台市長の許可が必要です。仙台市は、仙台市内で産業廃棄物の中間処理または最終処分を業として行おうとする者は、仙台市長の許可を受けなければならないと案内しています。
また、仙台市では、設置許可を要しない施設についても事前協議を行っているため、仙台市内で処理施設を設置・変更する場合は、宮城県とは別に仙台市の手続き確認が必要です。
したがって、設置場所が、仙台市内なのか、仙台市以外の宮城県内なのか、によって、相談先・申請先・手続きが変わる可能性があります。
申請手数料
宮城県の産業廃棄物処理施設設置許可申請の手数料は、施設区分によって異なります。
| 申請区分 | 手数料 |
|---|---|
| 施行令第7条の2に規定される施設 | 140,000円 |
| 上記以外の施設 | 120,000円 |
変更許可申請については、施行令第7条の2に規定される施設が130,000円、上記以外の施設が110,000円と案内されています。
なお、実際には申請手数料のほかに、次のような費用が発生することがあります。
- 生活環境影響調査の費用
- 図面作成費用
- 測量費用
- 設計費用
- 住民説明資料の作成費用
- 行政書士報酬
- 処分業許可申請の費用
施設設置許可は、施設の内容によって必要な準備が大きく変わるため、個別見積もりになります。
申請前に確認しておきたいポイント
産業廃棄物処理施設設置許可では、次の点を事前に確認しておくことが重要です。
- 設置予定地で処理施設を設置できるか
- 都市計画法、農地法、建築基準法など他法令の問題はないか
- 搬入・搬出車両の動線に問題はないか
- 周辺に住宅、学校、病院等がないか
- 騒音、振動、粉じん、悪臭への対策は十分か
- 排水や地下水への影響はないか
- 処理後残さの処分先は確保されているか
- 施設設置後に処分業許可を取得できる見込みがあるか
特に、土地を購入・賃借した後に「施設設置が難しい」と分かると、大きな損失につながる可能性があります。
そのため、物件契約や設備購入の前に、設置許可・事前協議・処分業許可の見通しを確認しておくことをおすすめします。
当事務所にご相談いただけること
あさぎ行政書士事務所では、宮城県・仙台市を中心に、産業廃棄物処理施設設置許可に関するご相談を承ります。
- 施設設置許可が必要かどうかの確認
- 処分業許可との関係整理
- 宮城県・仙台市への事前相談サポート
- 事業計画の整理
- 必要書類の確認
- 生活環境影響調査に関する手続き整理
- 住民説明資料の整理
- 施設設置許可申請書の作成サポート
- 処分業許可申請との一体的なサポート
産業廃棄物処理施設の設置は、法律だけでなく、施設構造、処理能力、周辺環境、住民説明、処分業許可まで関係する手続きです。
当事務所では、産業廃棄物業界での実務経験を活かし、現場の状況を踏まえた許可申請サポートを行います。
初回のご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください
090-4315-1757
営業時間 9:00-17:00(年中無休)
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よくある質問(FAQ)
-
産業廃棄物処理施設設置許可と処分業許可は同じですか?
-
いいえ、同じではありません。
施設設置許可は、一定の産業廃棄物処理施設を設置するための許可です。
処分業許可は、他社から委託を受けて産業廃棄物を処分するための営業許可です。
-
設置許可を取れば、すぐに処分業を始められますか?
-
他社から産業廃棄物を受け入れて処分する場合は、施設設置許可だけでは足りません。
別途、産業廃棄物処分業許可が必要です。
-
小型の破砕機でも設置許可が必要ですか?
-
処理する産業廃棄物の種類、処理方法、処理能力によって判断が変わります。
設置許可が不要な場合でも、事前協議や届出が必要になる可能性があります。
-
仙台市内で施設を設置する場合も宮城県に申請しますか?
-
仙台市内で処分業を行う場合は、仙台市長の許可が必要です。
また、仙台市では設置許可を要しない施設についても事前協議を行っているため、仙台市内の場合は仙台市の手続き確認が必要です。
-
生活環境影響調査は必ず必要ですか?
-
施設設置許可が必要な廃棄物処理施設については、生活環境影響調査が重要な手続きになります。
環境省は、許可を要するすべての廃棄物処理施設について生活環境影響調査の実施が義務づけられると説明しています。
-
施設を変更する場合も許可が必要ですか?
-
許可を受けた産業廃棄物処理施設を変更する場合には、変更許可または軽微変更届出が必要になる場合があります。宮城県も、変更する場合にはあらかじめ窓口へ相談するよう案内しています。
-
土地を契約してから相談しても大丈夫ですか?
-
できれば、土地を契約する前に相談することをおすすめします。
処理施設は、土地利用、周辺環境、搬入出ルート、住民説明、他法令など多くの問題が関係するためです。
まとめ
産業廃棄物処理施設設置許可は、一定の産業廃棄物処理施設を設置するために必要となる許可です。
処分業許可とは別の手続きであり、処分業を始める場合には、
- 施設設置許可が必要か
- 事前協議が必要か
- 生活環境影響調査が必要か
- 処分業許可を取得できるか
を一体的に確認する必要があります。
特に宮城県では、施設の設置・変更前に条例や指導要綱に基づく事前手続きが必要とされており、仙台市内では仙台市独自の事前協議にも注意が必要です。
宮城県・仙台市で産業廃棄物処理施設の設置や処分業許可を検討している方は、あさぎ行政書士事務所までご相談ください。

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