化学物質管理者は誰がなれる?選任が必要な事業場・講習・仕事内容

化学物質管理者は誰がなれる?

こんなお悩みありませんか?

  • 化学物質管理者を選任する必要があると聞いたけれど、誰を担当者にすればよいのか
  • 衛生管理者や作業主任者がいれば、それでよいのか

化学物質管理者の選任要件は、リスクアセスメント対象物を製造する事業場と、それ以外の事業場で異なります。自社に合う講習と担当者を選ぶには、使用している化学品と、事業場で行う業務を確認することが出発点になります。

この記事では、化学物質管理者になれる人、選任が必要な事業場、講習の種類、仕事内容と選任後の進め方を解説します。

あさぎ行政書士事務所では、化学物質リスクアセスメントの導入~運用までサポートしています。
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化学物質管理者は誰がなれる?事業場によって選任要件が異なります

化学物質管理者は、事業場の化学物質管理に関する技術的事項を管理するため、事業者が選任する担当者です。主な選任要件は、次のように分かれています。

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事業場の区分選任できる人講習の位置付け
リスクアセスメント対象物を製造する事業場厚生労働大臣が定める講習の修了者、又は同等以上の能力を有すると認められる人所定の講習修了等が選任要件
上記以外の事業場化学物質管理の業務を担当するために必要な能力を有すると認められる人化学物質管理者講習に準ずる講習などの受講が望ましい

製造事業場以外でも、担当できる能力の確認が必要です

対象物を使用する事業場などでは、必要な能力を備えているかを事業者が確認して選任します。化学物質管理に関する業務経験のある人も、この能力を有する人に含まれます。

実務上は、使用薬品や工程を把握していること、SDSを読み取れること、現場の担当者と対策を調整できることが担当者選びの目安になります。安全衛生担当者、現場責任者、技術担当者などについて、能力と業務量を確認しましょう。

事業者には、担当業務を行うための権限を与える義務もあります。設備の改善や薬品の変更について、誰と相談し、誰が判断するかまで決めておくことが大切です。

化学物質管理者の選任が必要な事業場

対象物を製造・取り扱う事業場は、人数に関係なく確認します

2024年4月から、リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場などで、化学物質管理者の選任が義務付けられています。選任は工場、店舗などの事業場単位で行います。

従業員が50人未満であっても対象になります。また、少量しか使わないという理由だけで対象外とは判断できません。洗浄剤、塗料、接着剤、試薬などに対象物質が含まれていないか確認しましょう。

対象物の確認には、仕入先等から入手したSDS(安全データシート)の成分名、含有率、適用法令などを使います。対象物質の追加もあるため、最新の対象物質一覧と照合することが大切です。

譲渡・提供や、ラベル・SDSの管理を行う事業場も確認します

対象物を直接扱わなくても、譲渡・提供に関するラベル・SDSの作成や管理を行う事業場には、選任が必要になる場合があります。一方、営業窓口だけで化学物質管理の実態がない事業場などは、実際の業務内容で判断します。

本社と工場が分かれている会社では、「どこで薬品を使うか」に加え、「どこでラベル・SDSを管理しているか」も整理してください。

「製造業」と「対象物を製造する事業場」は区別して確認します

ここでいう製造事業場は、リスクアセスメント対象物を製造する事業場を指します。業種が製造業であることだけで、製造事業場向け講習が必須になるわけではありません。

譲渡・提供のために混合・精製などで化学品の組成を変える場合と、事業場内で混合・調合してそのまま消費する場合では取扱いが異なります。厚生労働省のQ&Aでは、後者は化学物質管理者の選任要件上の製造事業場に該当しないとされています。

化学物質管理者の講習にはどのような種類がある?

対象物を製造する事業場向けの講習は、原則12時間です

厚生労働大臣が定める講習は、講義9時間と実習3時間の合計12時間以上で構成されます。危険有害性や表示、リスクアセスメント、対策・記録、災害時の対応、関係法令などを学びます。

第一種衛生管理者免許を持つ人などには、一部科目の免除規定があります。保有する資格だけで講習全体を省略できると判断せず、免除対象の科目を確認してください。

講習修了者と同等以上の能力を有すると認められる人には、労働衛生コンサルタント試験の労働衛生工学区分に合格して登録を受けた人などが含まれます。該当性は通達の要件で確認します。

対象物を使用する事業場などでは、6時間を目安とする講習が推奨されます

製造事業場以外では、必要な能力を持つ人から選任することとされており、化学物質管理者講習に準ずる講習などの受講が望ましいとされています。通達に示された準ずる講習の時間は、合計6時間が目安です。

初めて担当する場合は、自社で使うSDSを読めるようになり、評価と対策の考え方を学べる講習を選ぶと、選任後の実務につなげやすくなります。

申込み前に、対象区分・実習・科目免除を確認しましょう

講習案内では、製造事業場向けか、それ以外の事業場向けかを最初に確認します。その上で、カリキュラム、受講方法、実習の有無、免除科目、修了証や受講記録の扱いを確認してください。

製造事業場向け講習は、講義をオンラインで行うことが認められていますが、実習は対面で実施する必要があります。また、受講日時、実施者、科目、内容、時間数などの記録を保存しておきます。

化学物質管理者の仕事内容

製造・取扱事業場の化学物質管理者は、主に次の事項を管理します。譲渡・提供のみを行う事業場では、ラベル・SDS等と、それに関する教育の管理が中心となります。

  • ラベル・SDS等の管理:必要な表示や情報伝達が行われるよう管理する
  • リスクアセスメントの管理:評価対象、実施方法、実施時期などを確認する
  • リスク低減措置の管理:評価結果などを踏まえた対策の内容と実施を管理する
  • 労働災害への対応:事故が起きた場合の対応や、応急措置等の準備を進める
  • 記録と周知の管理:評価結果や実施した措置等を記録し、保存・周知する
  • 労働者への教育の管理:担当業務に必要な教育を計画し、実施につなげる

実務では、購買担当がSDSを入手し、現場担当が作業条件を確認し、設備担当が換気設備の改善を検討するなどの役割分担が考えられます。化学物質管理者は、それぞれの業務が必要な時期に進み、対策につながっているかを管理します。

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選任はいつまで?届出と社内周知の手順

化学物質管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任します。選任した後は、必要な権限を与え、氏名を見やすい場所に掲示するなどして、関係する労働者へ周知します。

化学物質管理者の選任について、労働基準監督署への届出は不要です。

社内では、選任日、氏名、担当範囲、権限、講習等の受講状況をまとめておくと、担当者の交代時にも引き継ぎやすくなります。対象物を新たに導入するときは、選任の要否も購入・使用の計画と併せて確認しましょう。

衛生管理者・作業主任者・保護具着用管理責任者との違い

安全衛生に関わる担当者には、それぞれ異なる役割があります。

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役割主に管理・担当すること
化学物質管理者化学物質のリスクアセスメントや対策などの技術的事項
衛生管理者事業場の衛生全般に関する技術的事項
有機溶剤作業主任者など対象となる作業に従事する労働者の指揮等
保護具着用管理責任者保護具の適正な選択・使用・保守管理

衛生管理者や有機溶剤作業主任者が化学物質管理者を兼務することは、職務の遂行に影響がない範囲で認められます。それぞれの選任要件を満たし、化学物質管理者としても選任して、担当範囲を明らかにする必要があります。

選任後は、薬品一覧と作業内容の整理から始めましょう

初めて体制を整える場合は、次の順序で現状を確認すると、取り組むべき課題を整理しやすくなります。

  1. 使用薬品とSDSをそろえる:製品名、使用部署、用途、SDSの入手状況を一覧にする
  2. 対象物と作業を確認する:成分情報と、実際の使用量・時間・換気・接触の状況を確認する
  3. 評価の実施状況を点検する:未評価の作業や、変更後の確認が必要な作業を整理する
  4. 対策の担当者と実施時期を決める:設備、作業方法、保護具などの改善を進める
  5. 記録・周知・教育の方法を決める:担当者の交代や新しい薬品の導入にも対応できるようにする

現場で作業する人の意見を聞き、安全管理者や衛生管理者、設備担当者などと連携することも大切です。衛生委員会等がある事業場では、未対応の課題や改善の進み具合を共有する場として活用しましょう。

外部の専門家に相談・依頼できること

化学物質管理者は、必要な権限を与えられる事業場内の労働者から選任することが原則です。その管理の下で、具体的な実務の一部を外部の専門家等に依頼することは可能とされています。

あさぎ行政書士事務所では、産業廃棄物業界での現場・技術管理者の経験を生かし、社内の担当者が化学物質管理を進めるための実務を支援します。

  • 使用薬品とSDSの整理、対象物質の確認
  • 作業条件の整理とリスクアセスメントの実施支援
  • リスク低減策や改善の優先順位についての技術的な助言
  • 担当者向けの実務説明、従業員向けの社内勉強会
  • 安全衛生委員会等での技術的な助言、継続的な相談対応

初回は、現在の管理状況とお困りの点を伺い、必要な支援の進め方をご案内します。個別の調査・評価・社内研修等は、内容と費用をご確認いただいた上で実施します。

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